更新日2023年9月6日

Plesk コントロールパネルに搭載されているマイグレーション機能(マイグレーションマネージャ)をご利用いただくことにより、Plesk コントロールパネルを搭載したサーバ間で、ホスティングされているドメインの設定などを比較的容易にコピーすることが可能となります。
以下に、Plesk コントロールパネルのマイグレーション機能の利用手順をご案内させていただきます。

尚、本機能によりコピーできる設定内容は以下となります。Plesk コントロールパネル のマイグレーション機能にてコピーがおこなえない設定項目、データなどは、お客様にて移行作業を行っていただく必要がございます。予めご了承ください。

Plesk コントロールパネルのマイグレーション機能によりコピー可能な内容

  • ドメインの基本設定
    (ホスティングに関する設定)
  • ファイル・ディレクトリのパーミッション
    お客様にて作成されたプログラムや設定ファイルなどの内容の書き換えは行いませんので、絶対パスが変更されるケースや、各種プログラム(Perl/PHP/MySQL 等)のバージョンが変更になったことなどにより、マイグレーション機能で移行後に修正が必要となる場合がございます
  • メールアドレス
    (パスワード、転送先設定、マイグレーションした実施時点のサーバ上に保存されているメールボックスのメールデータ)
  • メーリングリスト
    (メンバーの一覧、アーカイブ)
    ※個別のメーリングリストの設定内容は移行されません
  • データベース
    データベースのバージョン(文字コード)が変更されたことにより、文字化けなどが発生する場合がございます。問題が発生した場合は、お客様にて手動でデータ移行などをおこなっていただけますようお願いいたします。

Pleskコントロールパネルのマイグレーション機能によりコピー出来ない内容(代表的なもの)

  • Pleskコントロールパネル上から作成していないデータベース
  • メーリングリスト ( mailman ) の管理画面 (Pleskの画面から新たに開く画面) から設定した内容
  • vhost.conf / vhost_ssl.conf 等のPlesk 画面上以外からおこなった設定 など
  • SpamAssassinの学習ファイルは移行されません。

注意事項

・Plesk 8.3.x 以前のバージョンから、Plesk8.4.x 以降のバージョンにマイグレーションした場合は、移行後のサーバでメール送信時(587番ポート)にSMTP認証が必須となりますので、メールソフトの設定変更が必要になる場合がございます。

・移行先サーバへ旧サーバからWebコンテンツ等をそのままデータをコピーする仕様のため、ご利用のWebデータによっては、Webの動作が正常におこなえない場合がございます。
理由と致しましては、移行元サーバと移行先サーバのミドルウェアのバージョンや仕様が異なるためとなります。
Webの動作が正常におこなえていない場合には、お客様もしくはWeb制作会社様にてWebコンテンツやプログラムの修正が必要となります。

・Plesk 8.x.x 以前のバージョンから、Plesk9.x.x 以降のバージョンにマイグレーションした場合には、メールソフトのユーザ名の指定が、フルメールアドレス形(例:user@example.jp)に固定となります。
Plesk8.x.x までで利用できていたショートネーム形式(例:user)は利用できなくなるため、メールソフトの設定変更が必要になる場合がございます。
また、移行後のサーバでメール送信時(465番ポートおよび587番ポート)に、SMTP認証が必須となりますのでメールソフトの設定変更が必要になる場合がございます。

・移行元サーバPlesk 8.x.x 以前のバージョンから、移行先が最新版のPleskバージョン(Plesk Onyx、Plesk Obsidian)へは、マイグレーションマネージャーをご利用をいただくことができます。
・Pleskの仕様により、移行元サーバPlesk 8.x.x 以前のバージョンから、移行先サーバがPlesk12.x.xのバージョンの場合には、マイグレーションマネージャーをご利用いただくことはできません。

・マイグレーション作業実施後から、ネームサーバ変更までの間は、データの差分が発生しますので、適宜最新のデータへ更新などの修正が必要となります。
サーバの一般的な移行方法・確認方法につきましては、以下のページをご参照ください。

https://spt.clara.jp/manual/server/shift/plan/

Plesk コントロールパネルのマイグレーションマネージャによる移行手順

以下に、マイグレーション作業手順を説明します。

1. 事前準備

1.0 ドメイン管理元会社の確認

移行対象のドメインが他社で管理されている場合には、ネームサーバ切り替え作業時
にお客様にてドメインのネームサーバ(レジストリ情報に登録されているネームサーバ)
の変更を実施いただく必要がございます。なお、弊社管理のドメインのネームサーバ切
り替えにつきましては弊社にて切り替えを実施させていただきます。

他社管理のドメインにつきましては、弊社ではネームサーバの切り替えをおこなうこと
ができないため、移行代行サービスのご注文前にご確認をいただきますようお願い致します。

1.1 バージョン確認

“移行先サーバ”のPlesk のバージョンが、“移行元サーバ”のPlesk のバージョンと同じか、より新しいバージョンであることを確認します。

1.2 移行元サーバの接続元設定の変更

Pleskのマイグレーション作業は、“移行先サーバ”のPlesk コントロールパネルより実施します。
そのため、“移行先サーバ”から“移行元サーバ”へのSSH 通信を可能にするため、事前にSSH接続を許可する設定を追加する必要がございます。

移行元サーバの接続元設定変更作業もしくは、ファイアウォールの設定変更につきましては弊社にて設定を行わせていただきますので、以下のフォームにて弊社まで設定変更をご依頼ください。
なお、移行元サーバにファイアウォールがございます場合には、以下の「ファイアウォール設定変更フォーム」よりご依頼をいただきますようお願い致します。

<接続元設定変更フォーム>
https://spt.clara.jp/procedure/server/
<ファイアウォール設定変更フォーム>
https://spt.clara.jp/procedure/server/#server02

お客様番号 弊社からお送りした「アカウント設定完了のお知らせ」、または「ご請求書」に 記載されている8桁の数字
ご契約サーバホスト名 マイグレーション作業によるご依頼の場合、“移行元”サーバのホスト名および、IPアドレスをご入力ください
許可をおこなう接続元IPアドレス “移行先”サーバのIP アドレスをご入力ください。
また、許可サービス“SSH”とご入力ください

1.3 移行先サーバにマイグレーション対象のドメイン名の設定が無いことを確認

移行先サーバにマイグレーション対象のドメイン名の設定がすでにある場合、その状態でマイグレーションを実施しますとマイグレーションがエラーとなるため事前に削除をおこなってください。ドメインを削除する際は、移行先サーバで削除対象ドメインを利用していないことを必ず確認してください。

1.4 サーバの空き容量確認

移行元サーバ、および、移行先サーバに十分な空き容量があるかどうかを確認します。最低限、移行するドメイン名が使用している容量の2 倍の空き容量が必要となります。

※移行先サーバがPlesk Onyx以降をご利用の場合は、移行元サーバのディスクの空き容量として23GB以上の空き容量が必要となります。

例えば、移行するドメイン名が全て含めて3GB 使用している場合は、両サーバに6GB 以上の空き容量があることを確認してください。パーティションが分割されている場合(専用サーバの場合は分割されています)は、/usr に3GB 分、/var 以下に3GB 分が必要となります。

Plesk のマイグレーション実行前の、ディスク容量および、inode 数の、確認方法につきまして以下FAQ をご参考ください。

【FAQ】 ディスク容量は足りていますが新たなファイルがアップロード・生成できません。

2.マイグレーションマネージャの設定~実行 (Plesk Obsidian 18.0.54の場合)

移行先サーバのPlesk コントロールパネルへログイン。

「 ツールと設定 」を選択します。

「移行・移管マネージャ」を選択します。 

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: -2023-08-16-174823.png

「移行を新規開始 」を選択します。 

「アドレス」に移行元サーバのグローバルIPアドレスを記載し、「rootパスワード」に移行元サーバのrootパスワードを入力して、「移行準備」をクリックします。

移行元サーバとのセッション確認等が走りますので、この画面が表示されている間は何のボタンも触らないようにご注意ください。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: c05fbea2-7f5d-49fc-97c8-1b25f2bf3077-1024x571.png

移行したいドメインを選択し、「移行開始」をクリックします。

移行前確認等が走るので、この画面が表示されている間は何のボタンも触らないようにご注意ください。

チェック後の警告内容を確認し、問題がない場合には「 移行開始 」をクリックします。(※警告文は必ずご確認ください

黄色の「!」マーク:移行するには問題ないが、移行した後の動作に問題が出る可能性があるもの)

赤色の「!」マーク:このまま移行を開始するとデータが移行できないので、対象をする必要あり

移行開始すると、このような画面が表示されるので、完了するまで待機します。画面を閉じても影響はございません。

これで移行が完了しました。移行が失敗している場合は、「!」に数が記載されます。必ず「詳細 」を選択し、エラー内容をご確認ください。

3. 移行先サーバでの動作確認

マイグレーション作業完了後は、移行先サーバで正しくウェブサイトが表示できるか、SSL証明書のサイトが正常に表示されているか、メールの送受信等の動作確認をおこなってください。

マイグレーション機能は、基本的にはデータのコピーのみを行いますので、移行元サーバと移行先サーバの各種プログラムのバージョンが変更されている事による、データベースの文字化けやプログラムの動作不具合などが発生する可能性がございます。そういった点がございましたら、お客様もくは、Web製作会社にて修正を行っていただきますようお願いいたします。

コピーできなかったデータにつきましては、お客様にて個別に移行作業を行っていただく必要がございます。以下のFAQ もご参照ください。

DNS の切替前に ドメイン名で新しいサーバの Web サイトを確認することは出来ますか?

サーバの一般的な移行方法・確認方法につきましては、以下のページをご参照ください。

サーバ移行のためのお手続き・作業の手順