問題の概要

BIND 9.x には、リモートからをサービスを停止させる脆弱性の問題があります。 プライマリ・セカンダリDNSの種別により影響範囲が異なります。BIND が停止した場合、当該サーバを DNS サーバとして利用しているドメイン 名の名前解決に問題が生じます。なお、今回の脆弱性におきましては、BIND 9 のアップデートをお勧めいたします。
本ページでは、お客様ご自身にてBIND 9 をアップデートする方法をご案内いたします。

対象サービス
ご契約サーバ上で BIND (DNSサーバソフトウェア) を運用しているサーバ
(VPS / FPS / Flex Mini / Flex Mini2 / 専用サーバ / 専用サーバ Flex シリーズ / SolaCloud nano)

※DNS サーバとしてクララの DNS サーバ (DNS サーバ名が clara.co.jp または clara.ne.jp で終わるサーバ)
を指定されている場合には、既に対策済みとなっておりますのでご安心ください。

脆弱性(CVE-2015-5477)の影響を受けるバージョン
bind 9.1.0 から 9.8.x までのバージョン
bind 9.9.0 から 9.9.7-P1 までのバージョン
bind 9.10.0 から 9.10.2-P2 までのバージョン

対象CVE番号
CVE-2015-5477

セキュリティパッチ適用対象OS

Red Hat Enterprise Linux 5
CentOS 5
Red Hat Enterprise Linux 6
CentOS 6

注意

  • 本手順は無保証となります。作業をされる際は、お客様の責任にておこなっていただけますようお願いいたします。
  • お客様にて初期設定から設定をカスタマイズしている場合は、以下のアップデート手順で正常にアップデートできない可能性がございます。ご注意ください。
  • 弊社ではお客様サーバの OS に対応した OS ディストリビュータより提供された純正パッケージでのアップデートを強く推奨いたします。


BIND 9 アップデート方法

(1). SSH にてサーバにログイン

SSH にてサーバにログインし、root ユーザに切り替えます。

(2). 事前確認

サーバに設定されているドメイン名を dig コマンドで確認し、正しい内容の応答があることを確認してください。 # dig @(サーバのグロールIPアドレス) (サーバに設定されているドメイン名) soa

(3). OSのバージョン確認方法

# cat /etc/redhat-release

(4). インストールされているパッケージの確認

# rpm -qa|grep ^bind

※一部のバージョンのbind-chrootパッケージがインストールされているサーバ においてアップデートを実施した場合、そのままの状態ではアップデート後に BINDが起動しなくなる場合がございますので、ご注意ください。

(5). アップデートの実施

以下のコマンドを実行し、アップデートを行います

————————————————————————————————-
Red Hat Enterprise Linux 5の場合(bindの場合)
CentOS 5
# yum update bind*
————————————————————————————————-

Red Hat Enterprise Linux 5の場合(bind97の場合)
# yum update bind97*
————————————————————————————————-
Red Hat Enterprise Linux 6の場合(bindの場合)
CentOS 6
# yum update bind*
————————————————————————————————-

(6). BIND の再起動

以下のコマンドを実行し、BIND の再起動を行います。 # /etc/rc.d/init.d/named stop
# /etc/rc.d/init.d/named start

(7). BINDパッケージのバージョン確認

(bindの場合)
# rpm -q bind –qf ‘%{name}-%{version}-%{release}\n’

BINDパッケージのバージョンが、以下リリース番号と同じになっているかどうかを確認します。

(bind97の場合)
rpm -q bind97 –qf ‘%{name}-%{version}-%{release}\n’
BINDパッケージのバージョンが、以下リリース番号と同じになっているかどうかを確認します。

■CentOS 5および、Red Hat Enterprise Linux 5の場合の修正バージョン(bind)
9.3.6-25.P1.el5_11.3
※修正バージョンは、下記バージョン(bind97の場合)
9.7.0-21.P2.el5_11.2

■CentOS 6および、Red Hat Enterprise Linux 6の場合の修正バージョン(bind)
9.8.2-0.37.rc1.el6_7.2

(8). 作業後確認

「(2). 事前確認」と同様の内容で応答があることを確認してください。 # dig @(サーバのグロールIPアドレス) (サーバに設定されているドメイン名) soa

以上、となります。

Category: セキュリティ・設定
Tags: アップデート, パッケージ, BIND, BIND9, CVE-2015-5477, 脆弱性, named